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飛行場の安全と住民の生活の安心のために
飛行場問題を考える
市民の会事務局
0424−85−6389
松下 亘男
2008 年
4月号
計器飛行導入計画に危機意識を!
調布
飛行場
私たちは「飛行場問題を考える
市民の会」を平成元年に発足させ
ました。その目的は「調布飛行場
の永久使用につながるコミュー
ター空港化に反対し、一日も早く
全面返還を勝ち取り、跡地につい
ては市民のために有効活用する
よう活動します」としています。
ご存知のように昭和 40 年代に
は全市を上げての飛行場設置反
対の運動があり、移転先を探すよ
う国に要請しました。そんな中、
昭和 55 年に飛行場の近くの中学
校校庭に飛行機が墜落して死傷
者が出る事故が発生し、さらに強
力に移転の要請がなされました
が、他に候補地が見つからないと
いうことで、結局、国は平成8年
に飛行場を都営化し、東京都と調
布市の間に 27 項目の受け入れ条
件を付してコミューター空港と
してスタートさせ現在に至って
います。
会としては、毎月会合を開いた
り、市や都に約束を守るように働
きかけかけてきましたが、東京都
にはスタート時の約束を無視す
るような意図が見られます。そこ
で多くの方々にこの実態を知っ
て頂くべく、ニュースを定期的に
発行することにいたしました。是
非ご覧の上、調布市民の安全・安
心のためにお力添えくださいま
すよう切にお願いいたします。
2月 16 日に、「市長と語る・
ふれあいトーキング」に参加し
た。本田さんが、飛行場問題の
経緯を説明し、前回の市議会議
員選挙のときの公開質問状で、
候補者のほとんどが「計器飛行
は極めて慎重に」と回答したこ
とや、管制官撤退問題で、東京
都と調布市との間で、「現行の有
視界方式が保持されるよう措置
を講じる」と記した確認書が残
っていることを紹介し、今後も
その姿勢で……と陳情した。
市長の答弁は「これは、皆で
考えていく問題である。計器飛
行は慎重に……と言っても、や
らないという事ではない。近隣
市民に多くの負担をかけ、我慢
してもらっている事を考える
と、申し訳ない。墜落の過去を
思うと、安全に万全を期したい、
が、調査、測量、離島住民の足
であり、生活上必要な点を考え
ると、離島住民の気持ちも考慮
しなければならない。今後も市
民の考えを良く聞き、意見を取
り入れて対処したい」。
まったく前進もなく、現状の
調査、研究もない、当たり障り
のない答弁で、拍子抜けした。
昨年12月26日の朝日新聞の報
道によれば、成田国際空港会社
は、年間離着陸回数を、現在の
20 万回から 30 万回に大幅に引き
上げる方針を固めたとのことで
す。
B滑走路を離陸コース東に旋
回し、着陸も高度を下げて複線に
することで、AB滑走路の同時使
用をできるようにすると言いま
す。新たな騒音地域が発生する
が、空港反対運動も沈静化し、受
け入れられる可能性が高いと判
断したとのことです。
調布でも、今、計器飛行問題で、
一般的にはあまり知られていないことであるが、今、調布飛行場に計
器飛行を導入しようという計画が、秘密裏に進められている。検討され
ているという事実は、すでに明らかになっているのであるが、どのよう
に検討されているのかについては、未だに秘密のベールに包まれてい
る。表向きは、四者協やその補助機関で討議されていることになってい
るが、説明どおりに受け止めることなど到底できまい。そこで、今号か
ら、この計器飛行問題について、連載していく。
覚書のトップ項目
調布飛行場が、場外離着陸場から都営コミューター空港になる際に、
東京都と地元三市(調布、府中、三鷹)は、協定や覚書を交わした。そ
の覚書であるが、「第1 運用事項」には、「次の各号に掲げる事項につ
いて、誠意を持って履行するものとする」とある。そして、その第1号
では、「飛行場の管理運営は、昼間有視界飛行方式に対応したものとす
ること」と定められているのである。
ここで言う「昼間(ちゅうかん)」とは、まさに昼間のことであり、「夜
間はやらない」という意味であり、一方の「有視界飛行方式」とは、視
界が良好なとき、すなわち、「計器を使用する必要がないだけの視界が
あるときだけの飛行」ということである。
では、「計器飛行をやらない」ということが、なぜ覚書のトップ項目
となるような重要事項なのであろうか。それについては、次回から論じ
ていくこととする。
東京都と地元の調布市等との
協議が行われている。運動が低調
になってきたと見られるような
ことがあれば、押し切られる心配
もあります。
計器飛行の計器とは、基本的に、
安全装置ではありません。天候が悪
くて、視界が狭いような日でも飛べ
るようにするための、就航率向上の
道具です。その点、鉄道のATSと
は、本質的に異なるものです。
成田の教訓を学んで、しっかりと
声を出し続けていきましょう。そこ
が、とても大切です。
第 101 号