飛行場の安全と住民の生活の安心のために
  発  行

飛行場問題を考える市民の会事務局

 0424-85-6389

  松下 亘男

このブラウザではこの画像を表示できない可能性があります。 このブラウザではこの画像を表示できない可能性があります。 2009~10年

冬号

このブラウザではこの画像を表示できない可能性があります。 都庁で、阿南新課長と協議! 

 去る11月13日に、当会は、都庁を訪ね、港湾局離島港湾部の阿南課長をはじめ、東京都の調布飛行場担当の職員との会合をもった。阿南課長は、7月1日に、石田課長の後任として着任したが、当会とは、これが初顔合わせであった。 

   体験飛行問題

 まず問題となったのが、飛行場まつり。2002年に「体験飛行」なるものを導入して以来、その規模は、拡大の一途をたどってきた。「遊覧飛行はやらない」との約束の中、「料金を取らないものは遊覧飛行には当たらない」などという、役所の論理ではじめられた「体験飛行」。近隣の住民は迷惑と感じており、止めてもらいたいところだが、都が示したのは、施設規模から限界なので、これ以上拡大することはないとの見通し。しかし、限界いっぱいまで飛ばしていること、それ自体が、離着陸回数の「削減に努める」という約束に抵触するわけで、協定遵守の立場でやってもらいたいものである。 

   重量オーバー問題

 一方、8月30日の防災訓練に於いて、重量制限を大幅に超えるヘリが飛来した問題も、取り上げられた。都は、緊急時に必要なので、安全を確認した上で訓練をしたが、固定翼(普通の飛行機)と回転翼(ヘリコプター)の重量制限の在り方については、調布の飛行場対策協議会で議論があったのであれば、調査してみるということであった。ただ、前号でも述べたように、そもそも、何のために重量制限を設けたのかということもあり、物理的に可能だとか、安全性が確保されているとかいうことが、そのまま、認可されてよいということにはならないのは、言うまでもない。

 この点でも、協定遵守の立場でやってもらいたいものである。 

   離島での計器飛行

 ところで、新中央航空が、離島側で計器飛行を始めた件であるが、その後の経過を尋ねたところ、正確な資料は持ち合わせていないものの、 

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このブラウザではこの画像を表示できない可能性があります。 都庁で、阿南新課長と協議!(表面から続く) 

   たったの1割負担

このブラウザではこの画像を表示できない可能性があります。  しかし、仮に、4機目のドルニエが、新中央航空にとって必要性があったとしても、推定9億円の飛行機の購入に対して、国と都を合わせて、9割も負担するというのは、何と言うことか。後期高齢者が、医療費の3割負担を強いられる、このご時世である。一民間会社、それも、我々飛行場周辺住民にとっては、迷惑な存在以外の何物でもないところが、たったの1割負担で、自社の飛行機を購入しているというのは、不愉快千万である。

 実は、税金の投入は、新しい飛行機の購入だけではない。日常の運航に対しても、補助がされ続けている。

それで懐が豊かになったのかどうか、よく分からないが、いつだったか、調布市の花火大会の寄付金提供者に、この会社が名を連ねたりしていたのを見たことがある。 

   運賃でも誘導策

 また、この日は、航空運賃の面でも、調布からの離島便に、優遇策が採られてきたのではないかという問題も、取り上げられた。

 どういうことかと言うと、下の表を見ていただくと分かるように、例えば、大島への離島便については、調布・大島便が開設された、1984年(昭和59年)以来、20年近くにわたって、それは、羽田・大島便と比較して、運賃は、高額に設定されていた。ところが、それが、今世紀初め、僅かの期間で、逆転されてしまった。それは、羽田からの利用客に対する、調布からの便への誘導策ではなかったのかというのが、その論点であった。

 同様に、調布からの新島便や神津島便に対しても、優遇策が採られてきた。これらは、年間離着陸回数の削減に「さらに努める」とする、地元市との約束に逆行することではないか。当時の池田課長の、協定軽視発言なども、改めて指摘された。

 その他、就航率を言う前に、どれだけ利用されているのかという意味で、搭乗率について、調査すべきだとの意見も出された。 
 
 

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 昨年の9月26日、個人所有のセスナ機が調布飛行場で着陸に失敗、オーバーラン事故を起こした件で、先日、国土交通省の運輸安全委員会による事故調査報告書が公表されました。調布市では、9月25日に調布飛行場等対策特別委員会が開催され、この報告書についても、報告と質疑が行われました。

このブラウザではこの画像を表示できない可能性があります。  報告書によると、パイロット(機長)は、同機の操縦は約2ヶ月ぶりだったそうです。その間、操縦していたほかの機体に比べて、「操舵感覚が重かった」と、聞き取り調査で機長が述べていますが、2ヶ月ぶりに操縦した機体の操舵感覚に慣れないまま、飛んでいたということでしょうか? なんとも、あぶなっかしい話です。

 問題の事故ですが、着陸態勢に入って、エンジンを絞っていよいよ着陸というときに、機体の沈みが早く、本来、後ろの車輪から滑らかに接地しなければならないものが、ドンと落ちて、バウンドを繰り返しました。そこで機長が着陸をやりなおそうと、エンジンの出力を上げますが、思うように高度が上がらず、そのうち滑走路の終端が迫ってきたので、再び着陸を強行、接地のショックで前輪がとれたまま、オーバーランして、草地をすべって止まりました。

 事故原因としては、着陸をやりなおすときの操作に誤りがあったことが指摘されています。

 「慣れない車を運転して、車庫入れでこすってしまった」というレベルの問題ではすまないのです。滑走路の延長線上、数百メートル先には、住宅密集地がありました。浮き上がらないまま進んでいたら、住宅地に突っ込んだかもしれません。 

 私は、「(調布飛行場は)離島の住民の『生活の足』として、本来移転すべきものを住民は受け入れたものであり、こんなトボけた事故のリスクまで負わされたものではかなわない」「住民との約束を守って、個人所有の飛行機は移転させるべきだ」と主張しました。