昨年の十二月議会から、指定管理者制度を巡って、さまざまな論議が交わされている。
平成十五年に自治法の一部が改正され、指定管理者制度が作られた。その結果、公共の施設の管理を、市が指定した民間業者等に任せることができるようになった。
調布市でも「ふれあいの家」や国領の「あくろすプラザ」の管理運営が民間業者に委託された。
来年九月までには、公民館、図書館、博物館等を含めた自治体の設置する「公共の施設」の管理運営を、直営か、指定管理者かを決め、国に報告をしなければならないそうだ。
大河議員が、この「指定管理者制度」の問題を一般質問で取り上げ、「公共施設の管理運営への大幅な変更であるのに、公共施設の持ち主である市民には制度に対する意見の聴取、説明責任も果たされていない。市における指定管理者制度導入の目的は何か」と質問した。
市長は「民間活力・経済効果、サービスの向上等を目的に導入、市民ニーズのの変化、市民の期待に応えるため制度を活用したい。
市としての基本的考え方をこれまで以上に市民に情報提供し、市民参加を進める」と答弁。
同議員は更に国立市、多摩市、目黒区の
・まず制度導入に当たり、スケジュールをホームページで公開。
・市民、議会、利用者への説明会の開催。
・制度導入施設の選定委員会に市民委員を募集。
等、さまざまな形で市民に情報公開をしながら、指定管理者制度の検討を進めている例を紹介した。
この質問にも、市長、理事者の答弁は「より効果的、効率的な観点から導入する、公共施設のあり方について市民の皆様と考えていきたい」等々、抽象的な内容に終始し、具体的にどれだけ効率的、効果的なのかは明らかにされなかった。
「あくろすプラザ」の受付、清掃、メインテナンスだけの管理業務委託費として、年間八千万を越す金額が、果たして「効率的」なのか、一時間単位の会場使用が「市民サービス」なのか、等々。「あくろすプラザ」の指定管理者制度の導入を巡って、十二月、三月議会でもたくさんの問題点が指摘されたことは記憶に新しい。
公民館、図書館、博物館などの、市民にとって大切な施設が、「経済効率」の名の下で、直営でなくなってしまうとしたら問題である。判断、決定がなされる九月議会までの時間は少ない。
「情報公開、市民参加」といいながら、「見切り発車」のあくろすプラザのようなやり方を繰り返さないでほしい。
(調布市議会「ウオッチングニュース」34/2005年7月より)