中学校の学校選択制でどの子も伸びるの?情報提供:調布教育ネット
1) こんど、調布市でも学校選択制がはじまろうとしています。 「学校を選べるって、とてもいいことじゃないですか?」と思われる人もいることでしょう。 「ちょうふの教育NO52」(3月31日付調布市教育委員会発行)をよく見ると単によろこんでばかりはいられません。 学校を選べることで生徒の選択肢を増やし、その個性を伸長することを目指して行うものっていうけれど、対象学年と選択時期は、新中学生1年生の入学時のみで、希望校は市内の中学校のうち1校のみ、しかも人数に限りがあるので、希望する者がすべて入学することができるわけではありません。 2) もっと大事な問題があります。従来の通学区域からはなれたところの中学校を選ぶ時には、それまで一緒に学んだり遊んだりした友達とも離ればなれになり、交通機関を使って通学することになればお金もかかるし、そのために希望があっても選ぶことが出来ない子もいるし、通学の安全性確保のうえからも問題です。さらには、地域のつながりも薄くなり選ばれる学校と選ばれない学校などの格差もうまれ、子どもに与える影響も出てきます。 3) 調布市教育委員会は、平成19年度から学校選択制の導入を予定し「選ばれる学校づくり」を目指して「特色ある学校づくり」をすすめてきました。 そして平成17年度に「特色ある学校づくり」の冊子を発行し、市内の学校案内をしています。それを見てびっくりすることがありました。ある中学校は「調布1から東京1へ」「文武両道」をキャッチフレーズにして「特色1」では「学力テスト」で調布市平均を上回る成績をとったこと、「特色2」では「部活は全国レベル」であることを誇らしげに紹介しています。「学力テスト」や「部活」が特色に、そして「学校選択」にと。学校は商品を買うように「つくられた特色」を子どもや親が選ぶものでしょうか。 将来の学習と仕事の基礎になる力をどの子も身につけ その個性を豊かに伸ばすことができる学校を子どもや親は求めています。そのために、市内のすべての学校の教育条件をもっと豊かに整備していくことが大切です。主人公としての子どもや親や市民は「住民自治」の原則に立ってこのような学校をつくる権利をもっています。 4) 「学校選択制」については、学校教育充実プラン検討委員会や2回の 「教育シンポジウム」の場において、いろいろな問題が出されました。それに対して、十分な検討がなされていません。市民の声にていねいに耳を傾けず一方的にすすめていこうとする姿勢は住民自治の上からも許すことはてできません。 |