市民センターの跡地利用
市役所の入り口の角にあった築40年になる古いビル「市民センター」をご存知だったでしょうか。昨年とりこわされ、現在新しいビルを建築中です。4階建てでエレベーターもなかったのですが、駅に近く、便が良いということもあり、150を越すサークルの人たちが利用していました。以前から、道路拡張計画があることは市民も知っていて、活動の場がなくなることを心配した市民が、説明会の開催を何度も要望しました。やっと開かれた説明会では、計画や構想すら明らかにせず「更地にすること以外まだ何も決まっていない」と繰り返すのみだったのです。その後、市長も参加した説明会で、「建設にあたり、住民参加の協議会を作って欲しい」との要望に、「市民との直接対話の場は設けるが、協議会を作るつもりはない」と言明。市民参加のまちづくりを掲げ、「計画段階から市民の意見を聞いて……」と言っているのは何なのかと思わせるものでした。
1年以上たって、市民センター跡地に、教育センター構想が突如浮上してきました。
実は、この間にも教育委員会はそのためのプロジェクトチームを作り計画を進めていたのです。当然それらの情報は市民には知らされていませんでした。発表された「教育センター計画」では、5階の建物で市民が使えるのは1フロアーのみとなっていました。これでは前のような市民の活動は大きく制限されます。市長出席の説明会で、「市民のみなさまの活動は保障する」と言明したことはなんだったのかと批判が出されましたが、担当部署も政策室から教育委員会に変わり、担当者も交代、さらに曖昧な答弁を繰り返す市の対応に、市民は戸惑うばかりです。建設がかなり進んでいる現在でも話し合いは平行線のままです。
市民センター跡地計画説明会のなかで何度も出されたのが、保健所跡地につくられた「保健センター」のことでした。こちらは旧保健所を2億円かけて改修(昨年秋完成)、1階を障害者施設とし、2階を研修室、会議室として市民にも開放するという説明があり、太極拳、ヨガなどの健康にかかわるサークルはここを使ってくださいという話がありました。しかし、行政の会議や研修を優先するので、空いている時間にしか使えず、週1日の定例日を決めて活動するサークルは実際には使えないことがわかったのです。
「団塊の世代が定年を迎え、受け皿作りが大切、市民活動を支援することは行政の大切な仕事」といっていながら、これらの市の対応には、市民の活動の場づくりをどれだけ真剣に実現しようとしているのか見えてきません。
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